伝わってなかった
県内のある中学校で、就職セミナーをやらせていただきました。
生徒の就業意識を高めるために、県から委託されて行うセミナーですが、
こういうのは早い時期に行うほど効果が大きいと思います。
職業の種類や、求められる能力、それに備えて今何をするべきか、成功する人の共通点など
しっかり準備しておいて欲しいことを、なるべくわかりやすく伝えるよう心がけています。
最近は、職場体験学習もあるので、基本的なマナーや心構えも伝えます。
そんなこともあって、実際に、声を出してのあいさつ練習などやってみたりするのですが、
声の大小や、一発目からの反応の良し悪しなどに、その学校の教育度合いが正直に現れます。
残念なことですが、元気のない学校が少なくありません。
確かに、生徒さん自身の問題、家庭教育の問題もあるのでしょうが、
元気よくあいさつできる学校で、その理由を先生にたずねますと、
普段からのあいさつを、何度もしつこく指導されていると異口同音にいわれるのです。
当たり前のことを、非凡なレベルで続けることの大切さがわかります。
今回訪問した学校も、そんな素晴らしい学校のひとつでした。
セミナーでは、パート・アルバイトと正社員の生涯賃金格差について、
大きな格差があることにも触れます。
セミナー冒頭でもあり、生徒も興味深く耳を傾け、顔も真剣になります。
しかし、今回の「伝わっていない」というミスは、この場面で発生していたのです。
セミナーを終えて、生徒からの質問を受けることになったのですが、
ある生徒が
「生涯賃金の説明のところで出た、パートというのは何ですか?」
と一言。
いや~、これには参りました。
わかっているだろうという自分勝手な思い込みから、きちんと説明していませんでした。
今までにも、同じ疑問を持った生徒さんがたくさんいたことでしょう。
仕事の中でも、こういったことが起こる可能性は大いにあります。
わかっているだろうという思い込みによるミスを避けるためには、
相手に訊いてみるしかありません。
今後、こういったことのないよう、十分気をつけたいと思います。
気づかせてくれた生徒さん、ありがとうございました。