50万円払っても人が定着しない
介護事業所が介護職を採用する際に民間職業紹介事業者に払った手数料が、
1件当たり全国平均50万1千円だったことが、厚生労働省の委託調査で分かったそうです。
正社員を採用した場合は、その年収の2~3割が紹介手数料の目安と聞いてますし、
実際1人に対し80万円から100万円払ったという話も聞いています。
ですから、50万円と聞いて、そんなに安かったかなと感じてしまいました。
比較する対象によって高いと思える金額も安く感じるものなんですね。
地域によっても差があるようですが、実際の所はどうなんでしょうね。
間違いなく言えることは、介護職員を1人確保するという価値が50万円ということです。
高いでしょうか、安いでしょうか?
でも、そんなことより、それだけの紹介手数料を払って採用したにも関わらず、
採用から半年以内の離職率が38.5%!
何と4割近くが半年持たずに職場を去るという事実の方が深刻です。
介護職員を1名確保するのに50万円、それもせめて3年位働いてくれれば、
その間に職場環境の整備もできるのでしょうが、半年では本当に焼け石に水ですよね。
介護職全体の離職率は平均15.4%ですから、事業所の規模にもよりますが、
少なくとも1年間の紹介手数料が50万円で収まっていることなど殆どないでしょうね。
100万円単位まではいかなくても、50万円単位で相当な紹介手数料が発生しているのが現状でしょう。
管理職対象の集合研修もよく依頼を受けますが、一番の話題は、人不足対策です。
そして、人不足対策の鉄則は、まず今いる職員が辞めない職場をつくること。
つまり人材定着が最優先課題なのです。
とにかく人を採用するということ、そちらにばかり意識が向きがちですが、
人が定着しない職場に、新しい人が入っても、また辞めていくだけです。
水が入っているバケツの底に穴が開いているようなもので、
いくら水を入れても、水は一杯にならない、むしろ減り続けていくんですよね。
だから、まずは職場の穴を塞ぐことから始めなければならないのです。
そんな簡単なことに気づかず、いや、見て見ぬ振りをしているのかもしれませんが、
いつまで同じ状況を続けるつもりでしょうか?
同じ事を続けている限り状況は変わりません。今までと違った行動を起こす必要があります。
職場の穴を塞ぐ方法はいろいろありますよ。このコラムでも、たくさん紹介してます。
すぐできることは、今頑張っている職員さん全員に、
「職場に開いている穴」について、直接聴いてみることでしょう。
個別面談が一番いいのですが、難しければ、職場満足度アンケートを書いてもらうのもいいですね。
でも、個別面談はなかなか本音で話してくれないものです。
ですから、面談を第三者に聴いてもらえると非常にスムーズにいくのです。
紹介手数料を少しでも減らしたいと本気で考えておられるようでしたら、
具体的にどのように職場の穴を埋めるか相談にのりますよ。ご連絡お待ちしております!