リーダーシップを考える
介護業界はリーダーになりたがる職員が少ないんですよね。
なぜか?リーダーはしんどいものだと思われているからです。
それに加えて、苦労に見合う報酬が、一般職員と大差ないことが多く、
割が合わないと思われることも大きな理由の1つです。
でも、組織は、誰かがリーダーにならなければ成立しません。成長もしません。
利用者も良いサービスを受けることができなくなります。
結果的に誰も得をしない組織になってしまうのです。
リーダーは組織にとって欠かすことのできない存在です。
今回はリーダーシップについて、取り上げてみたいと思います。
日本の社会心理学者、三隅二不二が提唱したPM理論とは、
リーダーシップは、
P:Performance「目標達成能力」とM:Maintenance「集団維持能力」の
2つの能力要素で構成されるというものです。
目標設定や計画立案などにより目標を達成する能力(P)と、
メンバー間の人間関係を良好に保ち、集団のまとまりを維持する能力(M)の
2つの能力の大小によって、
4つのリーダータイプ(PM型、Pm型、pM型、pm型)を提示し、
PとMが共に高い状態(PM型)のリーダーシップが望ましいとした理論です。
シンプルでわかりやすいですね。
PM型(P・M共に大きい)
目標を明確に示し、成果をあげられると共に集団をまとめる力もある理想型
Pm型(Pが大きく、Mが小さい)
目標を明確に示し、成果をあげるが、集団をまとめる力が弱い。
成果はあげるが人望がないタイプ
pM型(Pが小さく、Mが大きい)
集団をまとめる力はあるが、成果をあげる力が弱い。
人望はあるが、仕事は今ひとつというタイプ
pm型(Pが小さく、Mも小さい)
成果をあげる力も、集団をまとめる力も弱い。
残念なリーダータイプ。
介護現場においては、いい人間関係づくりを重視されることが多く、
目標に対する意識が低い場合が多いですね。
数字がない、数値目標というものが、抜けていることが多いのです。
売上が先月と比較してどうなのか、前年同月比は?
売上目標に対する達成率は?稼働率は?
離職率は上がっているのか、改善傾向なのか?
成果を数字で表すことができるものに関しては、できる限り数値化して、
目標を立てて、みんなで共有し、取り組んでいくことが大事です。
そして、達成できた時は、みんなで喜び、頑張ったことを認めることです。
コロナウイルスの影響で、思ったように成果を出せなかったこともあるかもしれませんが、
思っていたほど悪くなかったかもしれませんし、想像以上に悪かったかもしれません。
大切なことは、良くも悪くも現状の事実を数字で明確に認識することなのです。
そうしないと、リーダーとしての対応が後手に回ります。
数値目標と人間関係づくり、この2つを意識しながら、
リーダーの仕事、あり方を考えてみましょう。