リーダーを助けるフォロワーシップ
新年度を迎えるにあたって、人事異動で新しいリーダーを迎えたり、
新しい職場で仕事が始まる人もいるかもしれませんね。
そんな人達のために、今回はチームワークに不可欠なフォロワーシップを取り上げてみます。
リーダーを育てるという意味で、リーダーシップとは何かとか
リーダーシップをいかに発揮するかというようなリーダー研修はよく耳にしますね。
逆にフォロワーシップという言葉は、あまり耳にすることが少ないと思うのですが、
実は、リーダーシップよりもフォロワーシップが大事なんです。
特に、介護の現場においては、他業界と比べて、
閉鎖された空間での密な人間関係が求められ、
仕事自体の悩みよりも、
リーダーとの人間関係や同僚との人間関係についての悩みが多いため、
フォロワーシップを学ぶというのは非常に大事です。
リーダーを支えたり、助けたりする「フォロワーシップ」が組織に与える影響は8~9割、
残り1~2割がリーダーの影響力とまで言われています。
ということは、リーダーシップよりフォロワーシップを学んだ方が、
組織を良くするためには、圧倒的に効率が良いということなのです。
リーダーと部下の関係でトラブルの原因となるキーワードとして、
批判的とか反抗的とか協力的でないという言葉を聞きます。
批判的に、リーダーと関わる人は、仕事に対する自分なりのこだわりがあって、
それがリーダーの考えと合わない時に摩擦が生まれがちです。
特に、自分のやり方や言い分を通すだけになっている場合には、
当然リーダーにも聞き入れてもらえないという結果になり、
二人の関係がさらに悪化するという悪循環に陥ることも。
実はフォロワーシップの考え方からみますと、
批判的な態度を、決してネガティブには捉えていないのです。
むしろ、批判もしなければ積極的に協力もしないという
無関心や逃避、無気力とかの方が厄介です。
こういったタイプの職員さんには、
仕事だけでなく家族との関係やパーソナリティに課題があったりして、
まずは心の扉を開いてもらえるような関わりを必要とするので、
サポートに時間がかかります。
一方、批判的な態度をとることの多い職員さんに、
どういったことに気づいてもらうかといいますと、
組織への貢献という視点なんですね。
この貢献という考え方が欠けている場合が圧倒的に多いのです。
「私だけが不満に思っているわけでなく、みんなもそう言ってます」
なんて訴えをよく耳にしますが、よくよく聴いてみますと、
みんなというのは、10人中2~3人だったなんて事はよくあります。
フォロワーシップは、
リーダーへの提案力と組織への貢献力がキーになります。
批判という形ではありますが、それは見方を変えれば提案でもあるわけです。
その提案が、自分にとってだけでなく、組織にとってメリットになるという内容であれば、
リーダーに聞き入れてもらえる確率が上がります。
自分の提案が職場改善として反映されると、仕事に対するモチベーションが上がります。
そして、また組織に貢献する提案がされて、職場が改善しと、好循環が生まれます。
フォロワーシップの在り方をみんなで共有することができれば、
リーダーの負担も減って、組織がうまく機能していくことができるようになります。
職場の仲間と共にフォロワーシップを学んでいきませんか?