2000ページのマニュアル
介護の仕事においては、大部分がルーチンワークです。
そして、人によって質が落ちないように仕事を標準化する必要があります。
また、利用者に対して行うべきサービスは必ずその日のうちに実施しなければなりませんから
安全に早く正確に行うための、仕事の効率化も考えなければなりません。
ルーチンワークであること、標準化と効率化が必要な仕事にはマニュアルが大きな力を発揮します。
もちろん対人サービスですから、全てをマニュアル化するのは無理があります。
しかし、マニュアル化できない部分は全体の1割から2割位ではないかと思うのです。
先日、情報番組で無印良品が取り上げられていました。
無印良品の店舗には、13冊2000ページに及ぶムジグラムというマニュアルがあります。
量もさることながら、その内容も、非常に細かく具体的な作業手順にまで及んでおり、驚きました。
そして、毎月20ページ程度は、全国の社員やパート・アルバイトさん達の意見を取り入れて
更新され、進化しているのです。
マニュアル全体の割合からするとわずか1%なのですが、この1%が凄い威力を発揮するのです。
マニュアルは作ったら、その達成感と共に安心してしまい作りっぱなしになりがちです。
当たり前のことですが、マニュアルは完成しても、日々仕事の仕方は変わっていきます。
仕事の仕方が変わってもマニュアルが変わらないから、
マニュアルを誰も見なくなり、マニュアル自体がホコリをかぶり、結局何も変わらないということとなります。
わずか1%の変化が、2000ページのマニュアルを活かすのです。
無印良品では、マニュアル変更を提案し、採用された従業員を表彰しています。
自分の提案が採用されると、承認欲求が満たされるのでモチベーションがあがります。
仕事は改善され、従業員満足度も上がるという一石二鳥の効果があるのです。
どの介護事業所も直面している最大の課題である人材確保・育成にも役立つことでしょう。
まずは1ページのマニュアル作りから始めてみませんか?