横の関係づくり
介護の職場でよくある話として、昇進、昇格問題があります。
一般企業なら、主任→係長→課長→部長といったように、昇進していくのは
喜ばしい話なのですが、介護業界においては、決してそうでもないのです。
「私は、利用者と直接関わることにやりがいを感じて、介護の仕事を選んだのであって、
人を管理するというような仕事に興味は無い、現場から離れるのは嫌なんです」
という声をよく聞くのです。
確かに、管理職になれば、一般職と比較して、
利用者と直接関わる時間は少なくなってしまうでしょう。
でも、その一方で、自分がやりたかった介護を、組織として実現させていく、
といった、管理職だけが味わえる新たなやりがいもあるのです。
「それはわかるのですが、人の上に立つような器では無いから…」
という遠慮の声もあったりしますね。さて、どうしたものでしょう。
人の上に立つと思うのは、組織を上下関係で見ています。
本来、人に上下関係などありません。対等です。
ただ、能力や経験が違いますから、同じではないというだけのことです。
上司と部下は同じではありませんが、対等なのです!
これは、最近、注目を集めているアドラー心理学の考え方です。
縦の人間関係は精神的な健康を損なう最も大きな要因であると考え、
横の人間関係を築くことを提案しています。
「人は水平面に生きている、人は皆それぞれの出発点、目標を持って前に進んでいくのだ。
そこに優劣はなく、ただ先に行く人と後を行く人がいるだけで、
しかし、その皆が協力して全体として進化していくのである」
人の上に立つのではなく、チームの先頭になって、目標に進んでいく、
そんなイメージで、リーダーの役割をとらえると、
自分自身も楽になり、チームのメンバーに対しても、上から目線で関わることなく、
対等な横の関わりで、いいチームワークをつくることができるのではないでしょうか。
縦の人間関係から、横の人間関係づくりを目指していきましょう!