介護を辞めてどこへ行く?

2015-08-31 リリース

先日、ある介護施設の管理者の方とお話をしておりました。

勤務態度も真面目で、利用者からの評判も良かった男性職員さんが、

めでたく結婚することとなったそうです。

ところが、彼女の両親と話し合った結果、

介護の仕事で、今の給料では、これから先、経済的に厳しくなるだろうという結論に至り、

退職し、別の業界へ転職することになったのだそうです。

どこの業界というのは、差し障りがあるので、伏せますが、

「今は良くても、東京オリンピックまでですよ!」って感じの業界です。

人口減少社会に入ってしまった現在の日本で、これから成長が見込まれる業界は、

残念ながら殆どありません。

昨年1年間で27万人も人口は減っており、これからも、益々拍車がかかるのです。

そんな中で、確実に今後の成長が見込まれているのが、介護業界なのです。

確かに、今は恵まれた給与待遇ではありません。

しかし、だからといって、短期的に高収入が期待できる業界へ転職して、本当に大丈夫でしょうか?

収入が増えると、生活レベルを上げたくなります。

今よりワンランク上の部屋を借りよう!車を買い替えよう!小遣いも増やそう!ローンで家を建てよう!

そのまま順調に、会社の収益が上がっていけば良いのですが、果たしてうまくいくでしょうか?

ちなみに、2013年度の赤字法人率は71.8%なんですよ。

去年の企業倒産数は、9731件で、1時間に1件倒産が発生しているんですよ。

ここ2~3年は公共事業のおかげで、回復傾向ですが、それでもこれだけ現実は厳しいのです。

一度生活レベルを上げると、下げることはできないものなのです。

万が一、転職先の業績悪化で、リストラされたりすると、ショックが倍増します。

そして、年齢を重ねた後での再就職は、ほぼ絶望的…

そんなショックに、あなたは、そして家族は耐えられますか?

 

百歩譲って、業績が順調にいっても、子育てが始まったり、あるいは両親の介護が必要になるなど、

夫婦のどちらかが仕事を続けられなくなる可能性は大いにあります。

介護離職は、1年間で約10万人も発生しているのです。

 

もし、介護の仕事を続けていれば、これらの不安を解消できます。

介護事業所の倒産件数も、過去最多を更新するペースですが、

介護職員は、より経営の安定した介護事業所に転職するだけの話です。

仕事を完全に失うことなどあり得ません。

また、子育てや家族の介護が始まったとしても、介護業界は人材不足ですから、

簡単に仕事を辞めさせてくれないでしょう(笑)

短時間勤務やパート勤務への切り替えなどで、少なからぬ収入を確保することができます。

そして、家族介護では、あなたの勤務先である介護のプロ集団が全面的に支援してくれることでしょう。

 

そんなことを、考えてみますと、介護職同士の夫婦共働きが、

今後、最もリスクに強い、最高のワークライフスタイルになるかもしれません。

お互いの仕事理解はあるし、家族介護になっても、うまく分担しあえることでしょう。

また、自分たち自身の老後も、様々な傷病、特に認知症の早期発見、その後の関わり方など、

お互いに役に立つ場面が、満載です。

勤務先を全く別の法人にしておけば、リスク分散にもなるし、

2人が一緒に休む時に、勤務先の負担も半減するので、よりベストですね。

結論として、多少経済的にしんどくても、介護業界から、離れるべきではありません。

介護職同士でダブルインカムを目指しましょう!

 

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