職場再建の3原則を実現するために
良い職場の条件のひとつとして「当たり前のことが、当たり前にできる」というのがあります。
当たり前の捉え方ですが「これがうちの職場の当たり前」に大きな違いがあることが多いですね。
いろいろな当たり前があると思うのですが、一番シンプルかつ重要な当たり前のルールとして、
「時を守り、場を清め、礼を正す」という言葉があります。
職場再建の3原則とも言われますが、これは日本の教育界の父といわれた森信三先生の言葉です。
これが徹底できない人、そして組織は崩れるといわれます。
時間が守れること、掃除が行き届いていること、挨拶ができること、
遅刻をしない、ゴミが落ちていれば拾う、明るく元気に挨拶ができる、
例をあげると、本当に当たり前のことなんですが、徹底するのが難しいんですよね。
当たり前のことを、当たり前にやるということは、約束やルールを守るということです。
最初は意識してやらなければならないかもしれませんが、
無意識レベルで習慣化した状態が目指すべき姿です。
やろうと思えばできるし、大きなストレスがかかるわけでもないのに、その「当たり前」ができない。
「当たり前の基準」が低い組織は、職場風土が例外なく悪くなります。
職場風土が悪くなると、コミュニケーションにも悪影響を与え、それは生産性に影響してきます。
小手先のテクニックだけで生産性が高まることなどありません。
テクニックや仕組みを考える以前に必要なことは、職場風土の改善です。
職場の雰囲気が悪く、「個」の能力を100%発揮できていない組織に、
どのような仕組みが導入されても、生産性は上がりません。
また、「当たり前の基準」が低い人に、生産性を上げるテクニックを教えても守りません。
仕組みを導入しても使おうとしません。
「当たり前の基準」を高めるには、愚直にこの3つを繰り返すしかありません。
①指摘する
できていない時は、その都度、その場で指摘することです。
怒らなくてもいいのです、できていない事実を伝えるだけです。
②繰り返す
できていなければ、何度も伝える必要があります。
諦めないで…の世界ですね。何度言っても直らないという声も聞いたりしますが、
言い続けないと、ずっと直らない状況が続き、結局「当たり前の基準」が満たされない訳です。
覚悟を決めて、取り組んでください。
③評価に反映させる
当たり前ができないということは、本当は組織人としては、致命的に残念な人なんですね。
あえて、ダメな人とは言いません、
可能性があるのに実現できていないという意味で残念な人といいます。
人事考課の一番最初に、最重要項目として「時間、掃除、挨拶」を設定するといいんですよね。
どれだけ仕事ができたとしても、
時間にルーズな人、掃除ができない人、挨拶ができない人を評価してはいけないのです。
逆に言えば、本当に仕事ができる人は、3原則は普通にできていると思います。
管理者側から見ると、仕事ができるように見えても、
現場の職員さん側からは、評価されていない場合が多かったりしますよ。
気をつけてください!
管理者は、当たり前が当たり前にできている職員さんをキチンと見極めなければなりません。
さて、今年最後のコラムとなりました。
今年は、3年に渡った愛媛県からの委託事業「新人介護職員職場定着促進プロジェクト」が一段落し、
過去にプロジェクトに参加された事業所さんを、ようやく訪ねることができました。
介護業界は、流動性が高く人の異動や出入りが多い上、人間関係のトラブルなど、
定期訪問させてもらっている顧問先でも、1ヶ月の間でさえ、いろいろなことが起こります。
そんな状況ですから、プロジェクトの支援終了から、1年2年と経過しますと、
良くも悪くも大きな変化をされた事業所もあれば、
とりあえず現状をキープという事業所も出てくる訳です。
変化できた組織、変化できなかった組織、それぞれから学ばせていただくことが多くあります。
これらをよく分析した上で、またみなさんにフィードバックしていきたいと考えています。
いずれにせよ、それぞれの事業所で、責任者の方が、明るく迎えていただけるのは、有り難い限りです。
こちらとしては、久しぶりの同期生に会うような、そんな懐かしさを覚えたりもしています(笑)
まだ全ての事業所を訪ねてはいませんが、来年は全事業所を訪ねたいと思っています。
どうぞ、温かく迎えてやってください。
最後になりましたが、皆様にとってよい1年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
来年も、ご支援・ご愛顧の程よろしくお願いいたします。