すぐできる待遇改善
介護業界は、厳しい状況が続いています。
職員の待遇を改善しなければならないのに、介護報酬は上がらない、
逆に抑えられようとしています。
今後、高齢者が増え、要介護者が増えることを考えれば、
介護報酬が上がることは、まず無いでしょう。
変に期待を持たない方が良いのです。
それより、経営者が考えなければならないのは、資金配分です。
職員さんの働きがいを維持していくために、
1万円をいかに使うかということが、大事です。
10ヶ月で、1000円ずつ使うのか、1度に1万円使うのか、
同じ金額でも、分散するのか集中するのかで、インパクトが違うのです。
また、現金で渡すのか、記念品で渡すのか、研修費とするのか、食事会にするのか、
どのような形で使うのかによっても、もらう側のイメージが変わります。
待遇改善ができないという声をよく聞きますが、
限られた介護報酬の中で、どんな工夫をしてますか?
という質問に対して、こんな工夫をしていますという声は聞いたことがありません。
お金が無いのなら、「知恵を使う」か「気を使う」しかないのです。
全国どこの介護事業所も、ほぼ同じ介護報酬で経営しているのですから、
資金の使い方こそが、経営者としての腕の見せ所なのです。
待遇改善の柱は賃金ですが、賞与については、法律で支払いが義務づけられていません。
賞与(処遇改善加算も含みます)については、経営者の裁量で大きな格差をつけることができるのです。
時間をかけて人事考課を行っているのに、
例えばA~Eの5段階評定で、
最高のAと最低のEの賞与額が殆ど変わらないというような話を良く聞きます。
全くムダな人事考課と賞与の支払いとしか言いようがありません。
何年もの間、習慣的に行っていると感覚が麻痺してくるのでしょう。
変化が必要な時に、変化ができない組織になってはいけません。
経営者が決断し、実施できることはたくさんあります。
待遇改善ができない状況に、あれこれ文句を言う前に、
また、できるできないではなく、やるのかやらないのか、
経営者として何をやるべきか、今一度再決断してみる必要があるのではないでしょうか。