高知県の介護が凄いことになっています

2019-02-04 リリース

第1回高知家ノーリフティングフォーラムに参加してきました。

サブタイトルが、

高知の福祉・医療現場を安全に働ける職場に改革しよう!

~利用者と職員を守れる職場づくりに向けて~

この、「利用者と職員を守れる」というところが素晴らしいですよね。

利用者の介助をする時に、介護職員としては、

自分の身体を犠牲にしてでも、利用者の身体を守らなければならない。

どんなに無理な体勢であったとしても、利用者の転倒を防がなければならない。

現場では、そんな状況になることが多々あると思います。

一見当たり前のように思えますが、1日に何度も介助を行う職員にとっての

精神的・肉体的負担は、相当キツいのです。そりゃ腰痛だってひどくなります。

介護におけるこういった状況は、何とかならないものなのでしょうか。

 

お隣の高知県では、5年前から県をあげて、ノーリフティングケアを強力に推進しており、

それを柱に、介護職員の定着、そして人材確保につなげていこうとしています。

実際にノーリフトケアを導入し、定着させた施設では、

募集定員を超える職員の応募があり、

優秀な職員を選ぶ事ができるという、

何とも羨ましい、ちょっと信じられない状況になっているというのです。

 

ノーリフティングケアとは、

持ち上げない!抱え上げない!引きずらない!

という、介護する側、される側の双方にとって、安全安心な介護のやり方です。

力任せの介護は、職員の腰痛だけでなく、利用者の二次障害までも引き起こしてしまうのです。

要するに、福祉用具を使ったケアなんでしょ?と安易にとられがちなのですが、

そんな単純な話ではありません。

腰痛予防のために、仕事中の不良姿勢をなくすことが重要なのですが、

用具を使うことだけではなく、業務全体を見直し、

記録する机や椅子の高さ、運ぶ物を持ち上げなくても済む方法とか、

倉庫の整理整頓を徹底するとか、小さなことも、みんなで考えながら改善し、

とにかく腰に負担をかけない安全に働ける職場づくりを徹底して行っていくのです。

導入している施設の取り組みを発表を聞きましたが、

みなさんそれぞれの意識の高さを感じました。本気で取り組んでいる様子が伝わりました。

足元が不安定になり、不良姿勢につながるサンダル履きや踵を踏んだ靴でケアするなど論外なのです!

あなたの職場は大丈夫ですよね?

 

このノーリフティングケアですが、驚くべきは高知県内の実践状況です。

導入プロジェクトから5年が経過し、アンケート調査に回答した

高知県内の368事業所中178事業所がノーリフティングケアに

取り組んでいるという事実!

そして

特別養護老人ホームに限れば、58事業所中49事業所!何と8割超えです!

更に、都道府県別社会福祉法人における労災発生件数推移(2007年から2016年)のデータで、

全ての都道府県が右肩上がりの上昇を続けている中、

唯一高知県だけが労災件数を減らしているという事実!

いや~驚きました。恐るべし「高知家」の介護です。

高知県の介護事業所をここまで本気にさせているのは、

人口減少率が全国平均の15年先行し、高齢化率は10年先行しているという厳しい現実です。

今、自分たちが介護の現場を変えなければ、

近い将来大変なことになるという強烈な危機感があるのです。

望ましいことではないですが、

危機感は、人を本気にさせるモチベーションになるのも、間違いないですね。

 

さて、振り返って、わが愛媛県はどうでしょうか?

ノーリフティングという言葉の認知度すら低いような気がします。

愛媛の介護事業所の応援団を自認している私自身も、まだまだ勉強不足です。

でも、このフォーラムに参加して、高知県の事業所の職員さんたちの本気の姿、

決して義務感ややらされ感でない、明るく自信に満ちた事例発表を見ていますと、

私の中でも、バチッとスイッチが入りました!

愛媛の介護事業所にもノーリフティングケアが絶対に必要だと。

最高のお手本が隣にあるのですから、学ぶべき点はしっかり学んで、

「愛媛の福祉・医療現場を安全に働ける場所に改革する」お手伝いをしたいと思います。

ノーリフトケア宣言パンフレット

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