転職を考える①
介護業界は、他の業界に比べて給料が安いといわれ、
経済的理由から、介護以外の業界へ転職する人も少なからず存在します。
本当に給料が安いのかどうか、
これは運営主体が社会福祉法人であるか、
民間企業であるか等によって、実際はかなりの格差があるので、
一概には言えないと思うのですが、ここでは、「比較的安い」という前提で
話を進めていきましょう。
まずは、どのような業界に転職するのかが問題です。
市場規模別にランキングすると、
1位自動車関連製造業、2位建設業、3位医療、4位生命保険、5位不動産
ということになるのですが、これらの業界は今後どれだけ成長が期待できるのでしょう?
実は、日本は、10年前から人口減少が始まっています。
2005年に初めて自然減となり、2007年以降は減少幅が拡大、
2010年に10万人減、2011年に20万人減を突破するなど、加速度的に減り、
2014年は26万8千人の減少と過去最大の減少を記録しました。
わずか1年で、松山市の人口の半分以上が減ったことになるのですから、大変な数です。
そして、今後も更に減り続けていくのです。
日本の人口が減るということは、当然ながら売上も減るわけでして、
今後日本国内だけでは、事業を続けても先細りになるのは、目に見えているのです。
売上が減れば、給料も減るのです。賞与も払えなくなるのです。
今、給料は高いかもしれませんが、それが今後も維持できるかどうか?
あなたが転職しようとしている業界はどうですか?
そんな厳しい国内市場で、唯一、今後10年間で市場規模が3倍以上になるといわれているのが
介護業界なのです!
団塊の世代への介護サービスが、少しずつ始まり、今後大きく成長することが確実な業界です。
それなのに、これまで頑張って経験を積んで、実績もある人が、
介護の仕事を辞めてまで、別の業種に行くのは、あまりにももったいない!
と思いませんか?
職場は確かに激務であると思います。でも、大変なのは介護業界だけではないのです。
どんな仕事であっても、時間の制約があったり、無理な注文への対応を求められたり、
自分が本当にやりたいと思っている仕事ができなかったり、
サービス残業があったりするのです。(本来は当然ダメなのですが…)
介護業界の現場のしんどさは、ここ2~3年がピークではないかと思います。
やがて、現場で深刻な問題が発生し、根本的な改革を迫られることになるでしょう。
ですから、ここしばらくは、介護業界で踏みとどまってもらって、
自分が今できること、現場の実践経験を重ね、介護技術と知識の向上に励み、
コミュニケーション能力の向上など対人スキルを磨き、
徹底的に自分の専門性を高める努力を続けて欲しいのです。
必ず役に立ちます。
そんなことを意識しながら、現場での1日1日を大切に過ごして下さい。