次世代に繋ぐ

2015-12-28 リリース

介護施設に出向いて社内研修をする時に伝えること、

「次世代に繋ぐこと」

今、介護の現場で働いているスタッフのみなさんも、

20年、30年後は、介護を受ける側になる可能性があります。

これは、誰も避けられない現実です。

そして、その時、自分たちを介護してくれる人が果たしているのだろうか?

慢性的な人手不足の中で、一生懸命に頑張った人たちが、

高齢者になったら、介護を受けられない可能性がある。

こんな状況だけは、避けなければならないと思うのです。

 

どんな事業所であっても、若い人たちが、1人、2人でも確実に入社してきて、

彼ら、彼女たちが、継続して勤務してくれるという状況を作っておかなければ、

遅かれ早かれ、そういう状況になってしまいます。

県立高校で、就職希望者の就職支援をしていた時、

本人は、介護の仕事をやってみたいという希望しているのに、

両親に反対されるというケースが多々ありました。

介護の仕事は給料が安い、きつい、汚いという理由からです。

時には、両親が介護の仕事をしているにも関わらず、反対するというケースもありました。

両親自身が、介護の仕事を息子さん、娘さんに自信を持って薦めることができないのです。

これは、非常に困った問題です。

 

給料についてですが、これまでもコラムで取り上げてきたように、

生涯を通じて得られる収入という視点で考えれば、決して低くはないと思うのです。

子育てをしながら、早い段階で職場復帰可能な業界ですし、

介護をしながら、仕事を続けることも容易であり、介護離職で収入が絶たれる心配もないですし、

突然のリストラの心配もまずありません。

そして、一番大きいのは、一般のサラリーマンなら、60歳で定年ですが、

介護業界では60歳を超えても、現場で働いている人がたくさんいるという事実です。

60代でも仕事で収入が確保できることは、大きなメリットです。

 

後は、人をきちんと成長させることができる仕組みづくりと、

共に仕事をすることによって、育まれる良い人間関係があれば良いのです。

介護の仕事自体のやりがいについては、改めて伝えるまでもないでしょう。

そんな職場を誰が作るのかと言えば、これは、実際に働いている職員さんが、

協力し合って、自らの手で作っていかねばなりません。

 

良い職場を作って、息子さんや娘さんたちに、

「介護業界で、一緒に頑張っていこう」と、言えるようにしていきませんか?

そういった視点から、考えていけば、今職場に何が不足しているのかといったことが、

より明確に見えてくるのではないでしょうか。

課題が見えたら、後は解決に向けての行動があるのみです。

1人でやるのではありません。

職場のみなさんと共に、決して遠くはない未来を見つめ、

今からできる行動を少しずつ始めて行きましょう。

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