ユマニチュードとマスク

2016-04-18 リリース

4月16日(土)に新居浜で行われたユマニチュードの講演会に参加してきました。

日本の第一人者である本田美和子先生が来られるということで、

約450名の介護・看護職員のみなさんが集まられたようです。

当初は200名の予定だったそうなのですが、希望者がどんどん増え、会場も急遽変更されたとのこと。

注目度の高さがうかがえました。

 

ユマニチュードは、マスコミでは「魔法の介護」というような言い方をされるのですが、

決してそうではなく、誰でもできる具体的技術であるということを、伝えられていました。

ですから、今回の演目も

「ケアすることとは何か?やさしさを伝えるケア技術」

だったのです。

「あなたは大切な存在である」というメッセージを相手に理解できる形で伝える。

これが、ユマニチュードの本質です。

当初、マスコミに「魔法の介護」と取り上げられた事は、先生にとっては、本意ではなかったそうです。

しかし、マスコミ側は、注目を集めたいから、どうしても刺激的なタイトルを使いたかった…。

どんな素晴らしい技術も、広く知れ渡り、数多く実践されなければ、もったいないので、

個人的には、注目度を高めた、いいキャッチコピーだと思っています(笑)。

ただ、そういった裏話を知らなかったので、これから伝える時には、気をつけます!

 

ユマニチュードの内容については、2ヶ月前のコラムで取り上げました。

→介護技術とストレス

また、You Tubeで「ユマニチュード」と検索すれば、たくさん動画が出てきます。

是非ご覧になってください。

※非公認の動画かもしれないので、紹介は遠慮しておきます。

 

さて、今回のテーマですが、介護現場でずっと気になっていることがあります。

それが、「マスク」なんです。

感染対策のためというのですが、介護現場で問題になる感染症は、

殆どが、空気感染より、接触感染や飛沫感染によるものであり、

マスクより手指洗浄や環境整備の徹底の方が、重要であること。

また、スタッフだけがマスクをしても、利用者が装着していなければ予防の意味がなく、

食事時など、時々、外したりするのなら、なお意味がなく、

スタッフは、息が苦しい思いをしながら、装着する効果が殆ど無い事実を知らない。

 

いつ頃から、マスクの装着が増えるようになったのでしょうかね~。

これも、メーカーの販売促進キャンペーンによるものかもしれません(笑)

マスク装着で、最悪なことは、顔の表情が全く分からず、怖いということです。

これでは、利用者とのコミュニケーションがうまくいくはずがありません。

ましてや認知症の利用者なら、なおさら難しいでしょう。

ユマニチュードでは、「不自然な程の笑顔」が大事と言われてました。

マスクをしていたら、笑顔が全く伝わりません。

さらに、スタッフ同士のコミュニケーションにも悪影響を及ぼします。

互いの表情が見えない状況では、誤解を生じやすく、

チームワークに支障をきたす可能性が高まります。

 

 

利用者に対して、快適な場、サービスを提供するためには、

良好なコミュニケーションが不可欠です。

感染症対策として、殆ど効果が期待できないマスクをするより、

それ以外の対策を徹底して行い、

顔の見えるコミュニケーションを優先する方が良いのではないかと思うのです。

長年の慣習を変え、周囲を説得するのは時間がかかるかもしれませんが、

正しい知識と明確な根拠、トップの判断と現場のスタッフの理解と行動で、

マスクのない職場、笑顔が見える職場を実現させて欲しいと願っています。

 

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