ファミリーマートから学ぶ社長の姿勢と人材確保

2018-02-27 リリース

先日、ファミリーマートの経営戦略についての情報番組を見ました。

売上は3兆円を超え、パートも含めれば全国で20万人のスタッフが働いているという、一大企業です。

コンビニエンスストアも、介護市場を虎視眈々と狙ってきています。

ローソンがケアローソンと名前も変え、店舗にケアマネージャーを常駐させて、

介護に関する相談を受けたり、介護食や介護用品を売っているといった話、

あるいは、セブンイレブンが、高齢者が多く居住する集合団地の中に出店し、

弁当や日用品を宅配するといった話は、私の研修の中でもよく紹介しています。

ファミリーマートも同様に、地域により密着する形で、

地域住民が集まって趣味を楽しむ場を提供したり、

カラオケボックスを併設し、日中に時間がある高齢者に楽しんでもらっているようです。

部屋での飲食は、当然ファミリーマートで購入するので、商品売上も確保でき一石二鳥です。

売上が市場の奪い合いのようになっている現状では、

高齢者対象のサービスは経営戦略の重要な位置を占めているようです。

 

また、ファミリーマートでも新人職員を育てるのにマニュアルを活用しているのですが、

そのマニュアルが1000ページもあるとかで(笑)

そんなマニュアルを誰が読むのか!と社長の澤田さんが怒っていました。

澤田社長は、実際の店舗に従業員として勤務し、

一日の仕事がどれだけ煩雑で、業務量が多いのかということを

社長自ら、身をもって体験されており、

いかにして従業員の負担を減らすかということを真剣に話されていました。

 

さらに、澤田社長はファミリーマートの加盟店を1軒ずつ訪問され、

訪問先で大歓迎を受けていました。

それは、そうでしょうね。

大企業の社長が、わざわざ自分の店まで訪ねてきて、ねぎらいの言葉をかけてくれたら、

感激しないはずがありません。

あるオーナーは、契約を交わして以来、社長が訪ねてきたことなど初めてだと、

目を潤ませながら、感激していました。

これだけの規模の企業の社長でさえ、現場をまわっているのに、

介護事業所の経営者が現場にねぎらいの言葉すらかけていないなんて、あり得ません。

忙しいとか時間がないなんて言ってられないと思うんですよね。

 

人材不足の中、ファミリーマートでも8割の店舗が人手不足だそうです。

4時間~6時間勤務の時間帯では人が集まらないので、

1日2時間という短期勤務シフトで子育て中の主婦層を確保しようとしていました。

興味深かったのは、勤務先の店が自宅から近いのではなく、

子供が通う学校から近いのが就職を決めた理由ということです。

子供に何かあった時にすぐ対応できるというのがメリットなんだそうです。

最近、就業体験を行う学校も多いのですが、子供と一緒に就業体験ができるなど、

いろいろな面でメリットがあるようでした。

ファミリーマートでは、全社的に主婦採用10万人計画を打ち出しています。

面接に来てくれる人すらいないという状況では、

採用する人の基本的資質のことなど話題になりますが、

茶髪であろうが、ピアスをしていようが、やる気があれば採用する。

多様性の時代は(受け入れる側が)変わらない方が危険だと話されていました。

そういった方を如何に戦力にしていくかまでは、触れていませんでしたが、

当然、どんな人でも育てなければならないと決意した上での話だと思います。

 

大手企業の高齢者や介護サービスへの対応、社長の姿勢、人材確保の方針や考え方など、

大いに参考になる点があると思います。

コンビニエンスストアと介護は違うからといった視点ではなく、

学べるもの、マネできるものは、積極的に取り入れていくべきです。

自社でもできることを見つけて、後は実行あるのみです。

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