ノーリフトケアで人材確保

2019-12-23 リリース

先日、3日間に渡るノーリフトケアコーディネーターベーシックプログラムを無事修了しました。

このコラムでも何度か取り上げてきたノーリフトケアですが、

愛媛県でも介護現場に普及させていかなければならないと感じておりまして、

まずは自分自身がノーリフトケアの基本を学ぼうと受講したのです。

結論として、非常に大きな学びと気づきを得ることができました。

ノーリフトケアは、抱え上げない、持ち上げない介護ということで、

利用者に対しても、そして介助者に対しても、やさしいケアです。

リフトや器械をイメージされる方が多いと思いますが、それは最終形であって、

それ以前に、介助者の身体の使い方を意識し、

利用者に腕を組んでいただいたり、膝を立てていただいたり、少しだけ協力していただき、

そしてスライディングシート等を活用することによって、

介助が楽になることを学び、そして身体で理解することができました。

大げさでは無く、身体介助に対する考え方と身体の使い方が劇的に変わります。

上記のことを、基本として理解した上で、

最終日はリフトを活用した移乗や立ち上がり介助を実践しました。

 

ノーリフトケアを職場に導入しようとすると、面倒だとか、リフトが怖いとか、

介護は人間の手でやるものだとか、いろいろ反対の声が上がると聞きます。

いちいち説得するのも時間がかかりますよね。もう説得するのはやめましょう!

今回の講座を受けて、よくわかりました。

とにかく、3日間ベーシックプログラムを受講してもらうことが一番だと思いました(笑)!

これまでの介護のやり方に、決着がつけられると思います。

 

実をいいますと、私自身が先月から、義母の在宅介護を体験中なのです。

脳出血の後遺症で要介護5の全介助です。意思疎通も困難です。

これまで、病院や施設で、抱え上げ、持ち上げの介護をずっと見続けてきました。

それは家族として見ているこちらもヒヤヒヤものの光景です。

介助者もしんどそうですし、義母の方も、毎回同じ人ではないですから、やり方も違って

混乱し抵抗する様子がみえるんですよね。両方が苦労しているんです。

介助者が悪いわけではありません。

2人がかり、時には3人がかりで一生懸命やってくれているんですけど、

その光景は、申し訳ないを通り越して、もう痛々しい。

脳出血の発症から1年間、病院と施設でお世話になってきたのですが、

結局、ノーリフトケアを見ることは一度もありませんでした。

そして、今我が家では、ベッドに取り付けるタイプのリフトを導入しています。

デイサービスの送り迎え時の移乗に大活躍し、最近は少しでも離床するためにも活用しています。

もうそれは、快適ですよ。小柄な妻でも一人で車椅子への移乗が楽々できます。

義母も落ち着いて、移乗することができています。

 

平日は、ほぼ毎日デイサービスを利用します。ですから1日2回車椅子移乗があります。

デイサービスがない日も1回は離床するので、結局毎月最低でも60回移乗介助があるわけです。

年間で720回!これだけの回数を、人力で移乗してたら、大変です。

私や妻の身体もおかしくなるでしょう。義母も毎回恐怖を味わって、こちらもストレス増大です。

機能回復どころではありません。

家族介護で考えても、異常な状態なのに、移乗介助を仕事としてやっていれば、

その回数は、毎月60回どころか毎日60回あってもおかしくないのです。

腰痛にもなってしまいますよ。過酷な職場になってしまいます。安全に働ける職場ではありません。

 

介護の仕事そのものは、やりがいのある魅力的な仕事です。

どれだけ魅力があるかは、1時間でも話すことができます。

でも、この腰痛問題だけは、何とかしなければなりません。

私から言わせれば、ここだけが、介護業界唯一の弱点なのです。

そして、この弱点は克服することができます。

ノーリフトケアを導入することです。

ノーリフトケアを導入し、介助者への身体的負担を大幅に減らすことができれば、

今現場で頑張っているスタッフが楽になるだけでなく、

高齢者の雇用にも繋げることが可能になるのです。

これから益々厳しくなる人材確保。元気な高齢者の確保は有効な人材確保策の一つです。

ノーリフトケアの導入は、守りの人材確保策にとどまらず、攻めの人材確保にも活かせるのです。

もう、できない言い訳を並べるのはやめましょう。

トップの決断も大事ですが、現場で必要性を感じていないスタッフもたくさんいます。

ノーリフトケアという言葉を知らないスタッフもいるでしょう。

まずは、ノーリフトケアの存在と必要性に気づいてください。

どんな改革も一人から始まります。変えようと思う人が職場を変えていくのです。

今こそ、ノーリフトケアの導入を決断しましょう!

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