キャリアパスの有効活用

2016-01-18 リリース

キャリアパスとは、簡単に言えば、キャリアの道、進路のことです。

組織における職位や職務に就くために必要な経験やスキル、順序、配置異動の道筋ですね。

どのような仕事をどれくらいの期間担当し、どの程度の習熟レベルになれば、

どのような役職に就くことができるのか。

 

介護の現場においても、様々な役職がありますが、

単に経験年数やリーダーシップの部分だけで昇進するという傾向が強いようです。

制度を導入すれば、スタッフの成長を支援したり、人事考課に有効活用することができるのに、

全く活用していないか、あってもうまく機能していない場合が圧倒的に多いですね。

 

最近、キャリアパスについて、改めて調べてみたのですが、面白いことに気がつきました。

一般的な評価シートを眺めていたのですが、研修生対象の評価項目に、

接遇「気持ちの良い挨拶ができる」

風紀「他人を誹謗・中傷しない」

行動「指示されたことを確実に実行する」

倫理「時間厳守、期日厳守」

といったような、ビジネスマナーの初歩に関わる評価項目があるのです。

よく見かける文章だと思います。本気でやれば、誰でもできる項目です。

もう一度いいますが、これは、「研修生対象の評価項目」です。

ここが確実にクリアできていなければ、

次の段階である「一般職員」の評価シートには進めないのです。

このプロセスは、組織運営において最重要ポイントです。

 

挨拶ができない、人を罵倒する、決められたことを守らない、遅刻する、書類が出ないなど、

これらは、管理者から、よく相談を受ける、残念なスタッフの問題行動です。

でも、その人達は、10年近く勤務しているベテランスタッフだったり、

または、現場のリーダー的役職に就いていたりする訳です。

キャリアパス制度を厳格に適用していれば、こんなことは起こりません。

なぜなら、「研修生対象の評価シート」をクリアしていないので、昇進できないからです。

 

そういったキャリアパスを、本人も上司も意識しながら、取り組んでいれば、

10年間勤務していて、ビジネスマナーが身に付いていないという

情けない事態にならずに済んだかもしれないのです。

本人にとっても、上司や部下、事業所全体に対して、本当に、もったいない10年間です。

キャリアパス制度を、成長支援の仕組みとして導入し、給与に反映させていけば、

問題行動の抑止効果が働き、個々の指導や努力の方向性が明確になり、

当たり前のことを、きちんとこなしている大事なスタッフを、しっかり評価できるようになります。

 

あなたの事業所では、スタッフ一人ひとりが、その在職年数に応じた成長を遂げているでしょうか?

キャリアパスというモノサシを使って、再評価してみませんか?

雇う側、雇われる側、それぞれが不幸にならないように…。

→介護職員のキャリアパスモデル(PDF)

 

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